子供そっちのけでベトナムの大人が燃える!戦いのバンカー!
ベトナムにもゲーセンがある。
日本のように、本当のゲーム好きが集まるというよりは、子供とか若者のユルイ娯楽という位置づけでデパート等に設置されていることが普通。
設置されているゲームは日本製のゲームの台湾版をもってきましたという感じのモノが多い。
その中でも日本ではあまり見かけないタイプのゲームがベトナムにはある。それも、どのゲームセンターにもあるのである。 それは通称「バンカー」と呼ばれており、「子供とか若者のユルイ娯楽」であるゲーセンの中で何故かオッサンオバサン群がって本気でそのゲームをプレイしているのである。
この写真がその「バンカー」である。見ての通りオッサンオバサンだけで子供など居ない。
いくつかタイプがあるらしいのだが、大体がこの真ん中の1つの大きな画面を囲んでプレイするという形態のゲームである。
真中の画面が釣り堀のように「海」を表しているっぽく、その海中に魚とかが泳いでいる。それをプレーヤーが弾のようなモノで打ったりすることによってメダルが払い出される。 ゲームの面白さとしては、あのメダルを投入してメダルを落とすコインプッシャーの中でもマスプッシャーと呼ばれるものに近いのかもしれない。 「バン」というのはベトナム語で「撃つ」の意味で「カー」は「魚」で、なのでバンカーと呼ばれている。
しかし一見楽しげなプレーヤー協力型、対戦型のファニーな感じのゲームなのになぜ子供はやらず、オッサンオバサンだけ、それもガチプレイ状態になっているのか?
実は、この通称「バンカー」というゲーム、ゆるゆるデパート屋上ゲーセンに設置されているのだが、ここのオッサンオバサン連中全員「金」を賭けてプレイしているのである。 どういう経緯でこのゲームが大人の賭けに利用されるようになったかはわからないのだが、他のゲームでは賭けは行われていいない。 賭けは「バンカー」のみで行われているのである。
ベトナムでは硬貨は流通していないので、ここでの払い出しは日本のゲーセンでもおなじみのメダルになる。このメダルを換金する胴元が居るのだ。 これはゲーセンの店員がやっているのか、黙認の胴元がいるのかよくわからないが、とにかく換金できる。
つまり、これ日本で言うと「パチンコ」なのである。日本では「海」というなら「海物語」だろうが、ベトナムでは「バンカー」である。
このバンカーはテレビゲームなのでその控除率は台によって完全にコントロールされていて、そういう設定の台でプレーヤーが勝つことはまず無い。 このオッサンオバサンだけでなくベトナム人は総じて賭け事が好きで、先を見失いがちである。 その心にこのゲームがするりと滑り込んできたのだろう。
感覚としては「雀荘」という感じなのだろうか? ちなみにベトナムは文化は中華圏なのだが麻雀文化は消失しており、麻雀をできる人は殆ど居ない。
追記
ここで魚打ちゲームと言っているのがまさにこの「バンカー」である。
ここ最近私の住む田舎では魚を打つゲームが流行っているが、そのせいで家族関係が壊れたり、借金を積み重ねたりという事態になっていると話す。
よほどこのゲーム中毒性が高いらしい。
デパートの屋上ゲーセンだけでなく、流行り過ぎて専門店も普通にできている。 ホーチミンでも中華系ベトナム人が多く住む5区あたりでは1ブロックの1軒あるほど流行ってしまっている。