ベトナムの極小インターネット上の独自アマゾンドット混む
ベトナムの知人が家電が激安で買えるというのでこのサイトを見ていた。
確かに必要なのか必要ないのかわからないものが結構安い値段で売っている。しかもベトナムでは珍しく種類が豊富で選択する楽しみがある。 そしてカートに入れて買い物・・・と普通にやろうとしたら・・・そうじゃないと。
オンライン決済ができないベトナム事情
このサイトでは買い物しないというのである。 というかそもそも決済をオンラインで行わない背景がある。
ベトナムではクレジットカードが全然普及していない。現金商売がメイン。
ここを見るに、ベトナムのクレジットカード普及率、たったの1%。 これがオンライン決済をやらない理由である。クレジットカード決済が誰もできないのである。
ではなんで普及しないのか?これは、そのへんの平均的なベトナム人にクレジットなんか存在しないので、ほとんど審査が通らないのである。 実際にはどのような状況で発行されるかというと、決済口座にかなりの額の預金残高を保持していると発行してもらえる、事実上プリペイドカードになっている。 こういうわけなのだ。
もうひとつあるのはベトナムの国税の問題である。 日本の国税は怖いが、ベトナムはユルユルである、街中に溢れている商店の殆どが税金なぞ収めておらず、税金なんか存在すら知らんという形である。 国はもちろん、商店本人たちですら、売上がいくらで利益がいくらとか殆ど把握してないのである。どんぶり勘定。
では誰が税金を払っているかというと、目立つデカイ会社から取るのである。 楽な所からたくさん取るというのがベトナム式の国税。
銀行を使うと金の流れが国側に把握されてしまい、儲けが目立ってしまうので銀行口座を作らず全部現金の地下経済なのがベトナムである。
ということで、このサイトは見るだけ。 これを見てほしいものの品名とか型番をメモっておくというのだ。
これって、リアル店舗があるからそこに行って買うということね。あいよ。
いざリアル店舗
そして、ここに向かう。
到着した。 細い通りなのに、ここだけ異常に人が群がっている。
この左右に並んでいる2軒の建物をあわせて1つの店として機能しているようだ。 しかし、どう見てもあの大量の商品を陳列して販売している施設には見えない。圧縮陳列と言えばドンキホーテだが、ここを見るに、日本に存在するどんなドンキホーテよりも小さい。 どうなっているのかこの店は?
いざ買い物
まず、この左側の建物の受付のようなところに行くのである。 順番はめちゃくちゃ、ベトナムに順番に並ぶという概念が無いのでグイグイとうまくポジション取りをしながら進んでいく。
そこで窓口のオバちゃんにオンラインで調べた品名とか型番とかを伝えるとオバちゃんが独自のタイピングメソッドで電光石火で伝票を作ってくれる。 そもそもこういう制度だと知らないので、品名とかも適当だったのだが、適当に言っただけでも該当の商品を検索して伝票ができあがる。 Amazon の検索よりも賢いシステムがココにある。
支払いをここで済ます。
商品うけとり
オバちゃんから注文伝票受取り、次は右側の建物の前で待つ。この群がっている方だ。 この伝票が出来上がった時点で右側店から左側店にオンラインで指示が入っている。食券を買った時点で製造のほうに指示が入る「なか卯」方式とも言えるか。
待つ。この待ちが長い、長い。1時間ぐらいは待つ。そうすると自分の伝票の金額で呼び出される、伝票番号では無い、金額である。 そこで窓口に行くと商品が日本ではもう絶滅した真っ黒のゴミ袋に詰め込まれた状態でムンズと渡されるのである。自分で選んでレジで精算とか無い。
小さなアマゾンドットコム
注文は隣で行って、そのすぐ隣で商品だけ受け取る。ここはまるで極小インターネット(家2軒間のみ)上の小さいアマゾンである。
小さいと言えども、そこはベトナム、アマゾンのジャングルである。そうこうやっているうちにも業者がひっきりなしにモノを納品しにきていて、 ターザンのような半裸の屈強な作業員が倉庫とも言えない単なる家の中にグチャグチャにモノを積み上げていっている。
こういう、ハイテクなんだかなんだかわからない業態もベトナムにはあるのである。
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