トリビアの泉 ベトナム語で「鳩」は「チンポコ」の種明かし
10年以上前に日本ではタモリがやっていた「トリビアの泉」というTV番組がある。
どうでもいい役にはたたないが、話のタネになるようなムダ知識を紹介するという番組である。 それを、2018年の今になってベトナム人の知人が Youtube かなんかの海賊版を発掘して見せつけてきた。
ベトナム語で「鳩」は「チンポコ」
というやつである。「エロマンガ島」的なやつ。 外国語が日本語のおもしろワードになるというやつ。
それをベトナム語観点から見るとどうなのという話。
これ実際には「チンポコ」ではなく、なるべく音を近づけると「チンボーカウ」である。 実はあんまりそんなズバリな音になってない。日本語は音の種類が少ないのでそれっぽくは聞こえる。
ベトナムなら公道で「チンポコ!」と叫んでも変な目で見られることはあれど、逮捕されることは無い。 なぜならベトナム語でチンポコとは「鳩」という意味のため、いくらチンポコチンポコと連呼しても「この人どんだけ鳩好きなんだよ(笑)」と思われるぐらいで済むからだ。
安心して欲しい、ベトナム語は発音が難しすぎて、日本人がどんなにでかい声で「チンポコ」と連呼しても「鳩」と認識されることはまず無い。 単に日本人が日本語での男性器の俗称を叫んでいて、日本語がわかるベトナム人(結構普通にそのへんに居る)に変な目で見られるだけである。
この種明かし。
実は、「チンポコ」だけでなく、実はベトナム語は音に関してはほぼ自由自在で、 「チンポコ」だけでなく結構な量の日本の言葉がベトナム語の意味ある文章として作れる。
それはこのようなベトナム語特徴に由来する。
- 「品詞の制約が少ない。活用や格変化が無い(多くの単語が収まった位置によってその位置で使う意味になる)」
- 「並べればそれでとりあえず修飾」
- 「1音節しか無い単語が多い」
- 「発音として静音濁音半濁音の区別が曖昧」
一つ障害があるとすると「ズ」とか「ツ」にあたる音が無いぐらいである。
この性質を使えば、ほぼなんでもありである。 なんせ、ベトナム在住の日本人が最もよく使うベトナム語が「チンチン」だということからもそっちの単語が豊富だということがわかるだろう。
ではこれを踏まえて「チンポコ」してみる。
単純に音を当てはめると、「Chin Po Kho」という組み合わせが浮かぶ。 これは「9つの乾いたマフラー(車)」という意味で「鳩」よりも音の再現度は高い。
もっと自然な文章にするなら「Chin Bo Kho」で「煮えたビーフシチュー」みたいな表現でもOKである。 これはかなり日常でも普通に出てきそうなワードである。
この通り、Google で検索してもちゃんと煮えたビーフシチューが出てくる
当然、トリビアの泉同様に「Chin Bo Kho Nay」で「この煮えたビーフシチュー」になる。 先程の「チンチン」と組み合わせれば「チンチンチンポコ」なんて簡単である。これも無茶苦茶な文章ではなく「煮えたビーフシチューお勘定おねがい」の意でおそらく普通に通じる。
そのほかにも、「マンゴスチン」やら「タケノコの煮物」とかトリビアの泉よりもタモリ倶楽部寄りの単語も普通に日常的に使う。
このような感じなので、ベトナム語のある特定の一部の単語が日本語のおもしろワードに聞こえるという大発見があったわけでなく、 日本語のかなりの単語、それもシモネタ単語がベトナム語の意味ある文として比較的簡単に意図的に再現できるということである。
そもそもこの「チンポコ」の「チン」の部分は「鳥」という意味なのである。だから「鳩」という意味の単語の一部なのである。 驚きではあるが、これはベトナム語として「鳥」という意味だけでなく、この単語単体でベトナム語では、あの「マン」の意味なのである。 音は同じで意味は逆になるという偶然であるw。
【追記1】
今 Google で翻訳するとこうなる
この Con gà trống はベトナム語では雄鶏のことで、この名前がついたレストランも有るぐらいなのだが・・・そうなの? Google がそんなスラングに精通しているということ?
確かにベトナム語のシモネタ系のスラングは食べ物を使うことが多いのだが。これは引き続き調査が必要。
【追記2】
あまりにチンポコが独り歩きしているのか、どこかのボケナスが
皆さん、こんにちは。この記事では ベトナム語の単語集と日常生活での例文集 を紹介します
なんて言いながら↓のような間違えをやってしまうという・・・
平和だな。
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